「母の日の最大の贈り物」

A. 母のおかげ

 リンカーン大統領は、「今日の自分があるのは、母のおかげである」と言い、「自分を築き上げたのは母である」と、トーマス・エジソンは言いました。偉人の陰には、愛情をもってわが子を育てた母がいます。  母親ほど、人生に影響を与える存在はありません。

B. 母の日の最大の贈り物 ―――― 受容、感謝

「あなたの父母を敬え。そうすればあなたは、あなたの神、主が与えられる土地に長く生きることができる」出エジプト記20章12節
 これは、十戒の中で唯一、約束が伴う戒律です。「敬う」とは、大切な意味がある、と認めることです。存在価値があると感じてもらったり、感謝されると母親の最も深い欲求を満たすことになります。
 母を敬い、受け入れ、感謝しましょう。母に確信を与える人は、この世で敬われ、受け入れられ、感謝され、確信を得た人生を歩むようになるのです。母親が天に召されてからでも、神さまへのお祈りを通して、思いは伝わると信じましょう。イエス様がとりなしてくださいます。

C. 確信を与える

 「瞬きの詩人」と呼ばれた水野源三さん(1937〜84)は、長野県の生まれで、小学校3年の9才のとき集団赤痢にかかり、高熱で脳膜炎をおこしました。一命はとりとめましたが、首から下は麻痺し、ロもきけない、ただ見える、聞こえるだけとなってしまいました。病気になってから4年目の12才の時、町の教会の宮尾牧師が訪れ、一冊の聖書を贈られました。彼は母に頁をめくってもらい、丹念に読みました。読み仮名付きなので国語の勉強にもなったし、信仰も育てられ、13才で洗礼を受けました。その後、両親もクリスチャンとなっています。源三さんは、このような詩を書きました。
   私がいる  水野源三
  ナザレのイエスを 十字架にかけよと
  要求した人 許可した人 執行した人
  それらの人の中に 私がいる

 源三さんが詩を書き始めたのは、18才の頃でした。母に五十音を大きな図表に書いてもらって、母が自分の望む字を指さすと目で瞬きをして合図を送り、それを母が紙に書いてゆくといった、大変手間のかかる方法です。しかし、読売新聞に投稿した句の入選をきっかけに、本格的に試作に励むようになり、四冊もの詩集を出しました。母はがんで先に召されてからは、弟の妻、秋子さんが手伝ってくれました。
   悲しみよ
  悲しみよ、悲しみよ
  お前が来なかったら、つよくなかったら
  私は今どうなったか
  悲しみよ悲しみよ、お前が私を
  この世にはない大きな喜びが
  かわらない平安がある
  主イエス様のみもとにつれて来てくれたの

 源三さんは、このような詩を中心に、全国の人々に希望を与えるようになります。源三さんの詩を使ってコンサートを主催した福岡の団体から、100万円が送られてきました。源三さんはそのお金で弟の会社の借金を払わせたりして、実質的にも家族を度々助けました。
 源三さんが全身麻痺となったとき、母は自分の命に変えてでも、息子を元の体に戻したいと願いました。その思いが、やがて源三さんを、そして両親を、イエス様の元へと導くこととなったのです。母親の愛情は、人類を救いへと導きます。

D. 結び

 私たちは、母を、両親を敬いましょう。それは、モーセの十戒にある神さまの命令なのです。そして、それには大切な約束が伴います。私たちが地上で長く生きるためです。これは、地上で祝される、という意味なのです。
御翼2010年5月号その4 母の日礼拝より


  
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